ヒッチコックの『鳥』について
齢30にして初の鑑賞。
色んな感想ブログを読んで気付かされたのだが、これってゾンビ映画の元祖的な立ち位置のものらしい。
急に鳥がやたらと襲来して人間を襲う。人間はそれにひたすら耐える。一行でストーリーを説明するとこんな感じ。だいたい合ってる。
この作品に意味などない、と思う。ただ、そこが怖い。
いつぞやにラジオで清水崇監督だったか三池崇史監督だったかが「ホラー映画で何が怖いかって、何もしていないのに襲われること」だと言っていた(言っていた人の名前がうろ覚えなので説得力なし)。
確かに呪怨、リング、ゾンビ映画にしても、因果応報型でないホラーは少なくない。しかして、四谷怪談などの古典的な怪談は、だいたい悪い奴が仕返しされる的な展開だったと思う。
正直、俺自身は因果応報的なホラーのほうが好きだ。なぜなら自分に非がないところで怖い目にあうのは嫌だからだ。
撮影は1963年。東京オリンピックの前の年だ。そう考えると尚更すごい。
はっきりいって、2000年代のPixar映画を観ている人間からすれば、CGは笑っちゃうくらいお粗末なレベル。妻は本当に笑ってた。
しかし、見続けるうちに、その恐怖に耐えられなくなってくる。妻は席を立つ。何故か。
人間が少しづつ狂気に負けていくのがよく分かる。
いつどこから襲来するか分からない鳥に怯える様。
ヒロインは怖くなって、立てなくなって、ソファーをつかむ。
おばあさんはいてもたってもいられなくなって紅茶を下げたり本棚を掴んだりする。
男は家を守るためにとっさにコンセントを引きちぎって縄代わりにする。
実にリアル。俺もそうする、と思う。
もっと言うと、これは言い古されたことだが、最初から登場人物がどこか狂っている所が良い。
女はもともとロクでもない人間で、今回だってこの弁護士と「遊びに」来ているだけ。そのためにボートにも乗るし下手なプレゼントもする。ちょっとした恐怖がついてくるとキスをして弁護士と運命共同体となる。
男はまともに見えたが、マザコン。
男の母親は、子離れできていない偏見の塊。
妹はややまとも。
男の元カノも、どこか影があって腹に一物を持っていそう。
そんな人物達が鳥に因って徐々に狂気を膨らまし、正気を失う。
その様が実に良い。「薄い教訓や物語など不要!」という意気が伝わってくる。名作。
ヒッチコックでは他に「裏窓」も観たが、あれもサスペンスで良かった。
たまこまーけっとの豆大の歌はブルーレイ特典なのな
たまこが劇中でよく口ずさむあの歌について明らかになる第9話、たまこまーけっとの中でも一番好きなストーリーだ。
everybody loves somebody!
これブルーレイ特典なのな。
こうなると買わないという選択肢がなくなる。
けれど、5巻だけ買うというのもなぁ。
全部買うほどの金はないしなぁ。
スペース☆ダンディのナンセンスさに救われる
このナンセンスさが最高じゃんよ。
SpaceDandy スペースダンディ Opening / OP 「Viva Namida」 - YouTube
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やっぱり俺って渡辺信一郎に育てられたなーって思う。
すげぇ勝手にだけど。渡辺監督にその気なんざ、万に一つもないだろうけど。
それだけ影響受けた。
カウボーイビバップも坂道のアポロンも最高だった。どっちもシリアスに考え、腹の底から笑えた。アニメってすげぇって思った。
しかし、今度のはなんだ。スペース☆ダンディ。
ナンセンスすぎる。爆発して五億六千七百万年後?仏教おちょくって楽しいのか?
シュウマイでおシュマイ?バカにしてる。どうしたんだよ。
赤塚不二夫的かってなナンセンスさ。
どうなってんだよ、渡辺監督。最低じゃんよ。ロマンはどこいった。クールは?
かつてみたいに、「格好いいってこういうことだろ?」みたいな格好いいの、見せてくれよ。
男は背中で語る、みてぇなのよ。
……でも、クールにバカやるってのも悪くないじゃんよ。
俺もマッチョにも男前にもなれねぇって、もう実はとっくに気づいてるからよ。
腹が出てて剥げかかってても、バカで格好いいの、もうちょっとみさせてくれよ。
ちょ、ちょっと、Wake Up Girlsにクロノトリガー流れてなかった?
ちょ、見過ごせないすわ!
クロノトリガーのフィールドでの名曲を、Wake Up Girlsがオマージュしてないですか?
Chrono Trriger Music Video A.D.600 風の憧憬 - YouTube
今週のWake Up Girlsの、使えない娘が辞めるの辞めないのって話をしているとき!!!
クロノのオマージュでしょ、あれ。
けしからん!と思う人は思え。
でも、俺はその意気や良しと思う。
むしろ、だったらWake Up Girlsを名作にせえよ!って思う。
今週のロボ子の内股具合が秀逸すぎる
ズヴィズダーのロボ子の潜入捜査モードが可愛い。
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【HD】世界征服~謀略のズヴィズダー~ OP - YouTube
どうしてだろう。愛おしい。
あの内股具合、腕の置き方、赤らめ具合。完璧である。
今期アニメの中で安定した面白さを供給し続けるズヴィズダー。
先日何気なく「宇宙兄弟」をみていたら「ズヴィズダ」という単語が出てきた。
「何ぞ?」思ってグーグル先生に聞いてみたら、「星」という意味のロシア語だそうな。
「謀略の星」という意味だったのか。勉強になった。
子ほめ 考 其ノ三
下げについて
「どうみてもタダだ」
というフレーズがおなじみだが、本当にそれでいいのか。
数え年の考え方は、現代には馴染まない。
それに「タダだ」というのもよく分からない。
冒頭の「灘の酒」から来ているのかもしれないが、どうにも歯切れが悪いように感じる。
五街道雲助師匠は「どうみても半分でございます」で落としている。
五街道雲助2「朝日名人会」ライヴシリーズ50 「中村仲蔵」「電話の遊び」
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談志師匠は「タダだ」で落としているのを聞いた。
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俺が一番しっくりくるのは小朝師匠の「どうみても産まれる前でございます」だ。
現代的な小朝師匠らしい下げ。
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大いなる矛盾も
人によっては八五郎がご隠居に子供の褒め方を聞く場面を入れている。俺もこのシーンを入れたほうが好きなのだが、その時に「逆に大きく言え」と習うように演る人もいる。
これは俺の考えだが、八五郎はおっちょこちょいでお調子者だが、習った事実を忘れるほどの馬鹿ではない。粗忽で阿呆だが、馬鹿ではないのだ。
立川志らく 『落語進化論』
賛否のはっきりした落語家の印象がある立川志らく。
実力はあるとは思うが、生意気で鼻につく感じがあるのは間違いない。
自分は立川談志の落語には心酔する部分があるので彼の行動にはある程度の理解はあるし、彼のする落語について好きか嫌いかでいえば好きだ。
しかし同時に、談志の嫌なところも受け継いでいるようで残念でならないところもある。
談志はすごい。自分に言われるまでもなくすごい。そして志らくがそれに心酔し、目指していることも分かる。談志の生き方、出で立ち、舞台での仕草は格好いい。
けれど、だからといって、嫌われ方、喧嘩の仕方まで真似ることはあるまい。わざとだと思うけれど、反感を持たれることを知っていて書くのは大人ではない。落語家だからそれでいいのかもしれないが。
また、こういう著書を書いているうちには談志にはなれないし越えられない。談志は立川流の・イリュージョンのパイオニアだ。現代に合うように古典を分析し、解剖して、途中なり下げを大胆に論理的に工夫した、現代でも稀有な開拓者だ。しかし、そういう功績を志らくはまだ残していない。したがって、真似の域を出ていない。オリジナリティを出せ、というのも談志の意思だが、それを忠実に遂行しているうちは真のオリジナリティではない。
著書の内容も談志の思想の焼き写しだ。タイトルからして現代落語論へのオマージュだろうし、内容も談志のそれ以上のことは書かれていない。
ここまで辛辣なことを書いたけれど、談志はもうこの世にはいないし、自分自身、立川の落語は大好きである。志ら乃の落語も気に入る部分は多い。
期待も込めて、志らくには是非、談志を超える何かを残して、聞かせて、読ませて欲しい。
文章を書いて、落語について語って、イリュージョンを志しているうちは、談志の弟子としてしか語られないと思う。