おおかみこどもの雨と雪 考
細田守監督作品の中でも、筆頭の価値のある作品だと思う。 改めて観て、雑感など。
通算で2回しか観ていないので、本当にざっくりとした感想だが。
まず、何と言っても終わり方の秀逸さよ。
最初は「え、ここで?」と思い、次第に「なるほどなぁ」と思い、時間をおいて二度目みたときは「やっぱりそうだよなぁ」になる。そうだよ、これで、この終わり方で、いいんだ。
雨は狼になり、雪は人間になる。それでいい。そこに大きなドラマはなく、むしろそこから一歩置いた存在として、花は生きる。花は立派に二人を、人間として狼として育て、その後のことは親がとやかく言うべきことじゃない。
一回目に見た時と二回目に見た時との間に、自分自身の出産・育児を経験すると、それが身につまされる気持ちになる。こっちがどんな気持ちでいようと、子どもは子どもの生きたいようにしか生きないし、そうあるべきだと思う。
だからこそ、親は育つ様を見守ることで正解だし、この映画はそこで終わって良い。
人?狼?というファンシーな存在を前提とした物語だからこそ、最期に横行なカタルシスを用意することなく、終わる。脚本は奥寺佐渡子氏。素晴らしいです。
アニメの良さについて語ろうと思ったけど、脚本、というか終わり方一つで万感の思いになったのでまた稿を改めたい。