写楽斎ジョニー脳内会議録

写楽斎ジョニーの思考の軌跡です。落語・アニメ・映画あたりを粛々と語ってまいります。

子ほめ 考 其ノ三

下げについて

「どうみてもタダだ」

というフレーズがおなじみだが、本当にそれでいいのか。 

柳家喬太郎 名演集1 寿限無/子ほめ/松竹梅

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数え年の考え方は、現代には馴染まない。

それに「タダだ」というのもよく分からない。

冒頭の「灘の酒」から来ているのかもしれないが、どうにも歯切れが悪いように感じる。

 

五街道雲助師匠は「どうみても半分でございます」で落としている。

 

 

 

談志師匠は「タダだ」で落としているのを聞いた。

 

立川談志 ひとり会 落語ライブ '92~'93 DVD-BOX  第一期

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俺が一番しっくりくるのは小朝師匠の「どうみても産まれる前でございます」だ。

現代的な小朝師匠らしい下げ。

 

 

大いなる矛盾も

人によっては八五郎がご隠居に子供の褒め方を聞く場面を入れている。俺もこのシーンを入れたほうが好きなのだが、その時に「逆に大きく言え」と習うように演る人もいる。

これは俺の考えだが、八五郎はおっちょこちょいでお調子者だが、習った事実を忘れるほどの馬鹿ではない。粗忽で阿呆だが、馬鹿ではないのだ。

 

これを元に、先日書いた子ほめについての記事「其ノ一」「其ノ二」を書き直す。